● 1.2mm銅単線４芯の特殊構造
ご好評をいただいているXLRケーブル WTS-X5300と同じ線材を使用した、銅単線４芯構造です。
芯線の直径をはスピーカーケーブルの用途に合わせて1.2mmのものを使用しています。
プラス側に２芯・マイナス側に２芯を使用。断面積は2.3SQ（14AWG）に相当し、大型スピーカーも難なく駆動します。
撚線のような芯線間を電流が飛び回る「迷走電流」が発生しないため、音像に滲みがなく透明度の高い再現性です。
また、４芯の銅単線を柔らかい十字型セパレータで１芯ずつ分離して撚ることにより、共振点が分散され単線特有の固有振動を防止しています。
更に、４つの芯線を撚ることでツイストペアと同様にノイズに強い構造となっています。

● 芯線を無方向性化・ケーブルに方向性はありません
本ケーブルはプラス側に２芯、マイナス側に２芯を使用しています。
この２芯をペアとして、このうち１芯の方向を逆にして製作することにより、芯線の無方向性化を実現しています。
このため、本ケーブルには方向性がありませんので、どちらの向きに接続しても全く同じ特性となります。
尚、音質向上への効果は大きくはありませんが、製作時の工夫により工数は増えないため、迷わず採用しています。

● 音楽信号の損失を極小化／電気特性に優れたテフロンPTFE絶縁体を使用
本ケーブルを開発中にコストパフォーマンスを考慮して色々な絶縁素材を試しましたが、音に透明感や力がなくなったりで思った以上に絶縁体の音に与える影響が大きいことが分かりました。
結果的に高価ではありますが、RCAケーブルやXLRケーブルで使用しているテフロンPTFEチューブを採用しました。
これは電気特性に非常に優れており、絶縁体としては最も空気に近い性能を持っています。
これにより、信号の電気的損失を低く抑えて、微小信号を確実に伝送するとともに、優れた高周波特性によりシャープな高域再生を実現しています。
尚、テフロンPTFEは固く鳴きやすいため、ズズメッキ銅網線をチューブの外側に密着されて被せることにより制振しています。（シールドとしては使用していません）
 
● 端末処理が選択可能（バナナプラグ／Yラグ端子２種類をオプションにて選択）
本ケーブルは音質のため端末処理を行っており、以下の３種類から選択できます。
また、アンプ側とSP側（スピーカー側）を別々に選択することもできます。
 

＜端末処理の選択項目＞
・バナナ：バナナプラグ
・Yラグ標準：Yラグ端子　標準サイズ（内幅8.4mm、外幅15mm）
・Yラグ小型：Yラグ端子　小型サイズ（内幅6.4mm、外幅12.5mm）



＜使用部品＞
(1) バナナプラグ
バナナプラグは「AEC社製 BP-208CG 金メッキ波形バナナプラグ」を使用しています。
このプラグは材質が良く堅牢かつ精度の高い製品で、確実な接続を行うことができます。
このプラグ本来の接続方法はネジ式ですが、ネジ式はどうしても緩みが避けられず、また接触面が少ないことにより音質に不安定感が生じていたため、ハンダによる接続を行っています。
ハンダは色々試した結果「Nassau AT-7241 B Stearine Core」を使用しています。
尚、このプラグには金属のカバーが付いていますが、僅かに付帯音が感じられたため、カバーを使用せずに熱収縮チューブを被せて処理しています。

(2) Ｙラグ端子（標準サイズ／小型サイズ）
Ｙラグ端子は、標準サイズは「ORB社製 High-end Lug HL-YLi」、小型サイズは「ORB社製 High-end Lug HL-YSi」を使用しています。
このＹラグ端子は圧着式で、宝飾品用高純度24Kメッキを施しており、信頼性が高く非常に素直な音色が特徴です。